家族の模様替について

老いて病を抱えた父親を持つ、ジャワ舞踊家の佐久間新とダンサーで振付家の砂連尾理がお互いの父親に向けたダンスの会。

会では毎回、目の見えにくくなった父親のために砂連尾が書いた詩に、佐久間が奈良県にある障がい者アートセンター「たんぽぽの家」の利用者とそこで働くスタッフと一緒にメロディーを作った歌を歌う。

年に二回〜三回開催予定。老いて病を抱えた親がある人もない人も、元気な親がある人も参加ご自由です。


蛙の親に蛇の親 

ゲコゲコニョロニョロ 

肩を叩いて肩を揉む 

トントンダンスにモミモミダンス 

はーいはい Hey! Hey! 

見えないは見える 

見えないは感じる 

見えないは聴こえる 

見えないは触れる 

見えないは飛べる 

見えないは溶ける 

見えないは拡がる 

見えないはダンス 

編み目を変える 

模様を変える 

空気を変える 

親子を変える 

親子は変わる 

蛙は蛇に 

蛇は蛙に


佐久間 新 Sakuma Shin

二十歳の頃、流れる水のように舞うジャワの舞踊家ベン・スハルト氏に出会い、自分のご先祖さまに会ったと確信。インドネシア芸術大学への留学を経て、現在は伝統舞踊におけるからだのありようを探求し「コラボ・即興・コミュニケーション」に関わるプロジェクトを推進中。障がいのある人との「ひるのダンス」(たんぽぽの家・奈良)等。共著に「ソーシャルアート 障害のある人とアートで社会を変える」(学芸出版社)。

砂連尾 理 Jareo Osamu

1991 年、寺田みさことダンスユニットを結成。2002 年、「TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2002」にて、「次代を担う振付家賞」(グランプリ)、「オーディエンス賞」をW 受賞。2004 年、京都市芸術文化特別奨励者。2008 年度文化庁・在外研修員としてドイツ・ベルリンに1 年滞在。近年はソロ活動を中心に、ドイツの障がい者劇団ティクバとの「Thikwa+Junkan Project」、京都・舞鶴の高齢者との「とつとつダンス」、宮城・閖上(ゆりあげ)の避難所生活者への取材が契機となった「猿とモルターレ」等を発表。著書に「老人ホームで生まれた〈とつとつダンス〉―ダンスのような、介護のような―」(晶文社)。」